新羅千年の古都・慶州。
街全体がまるで博物館のように数多くの遺跡と文化財が息づくこの地に、新羅仏教文化の聖地と呼ばれる南山(または金鰲山)がある。岩に刻まれた仏像や古い寺院跡、峰ごとに立つ石塔が調和し、新羅の精神と芸術の精髄を今に伝えている。
オカリナ奏者キム・ジュヌ氏は、慶州国立公園南山地区を歩きながら、自然と文化、そして時間の旋律を奏でる。古民家が並ぶ校村マウルの静かな路地を抜け、星を観測した新羅時代の科学遺産・瞻星台の前に立つと、古代の知恵と息づかいが感じられる。赤く染まる石山の群れを過ぎ、月城探訪路へ入ると、季節の深まりが全身に伝わってくる。
秋風が吹き抜ける松林の中で、キム氏はオカリナを取り出す。アイルランド民謡「柳の庭の下で」の穏やかな旋律が森に響き、自然と音楽、そして慶州の時間が一つに溶け合う。
本格的な登山はセガッコル駐車場から始まる。標高468メートルと低い山だが、山道のあちこちに千年の痕跡が息づく。岩盤と仏像の鼻の間に5センチの隙間があるために形が鮮明に残った「5センチの奇跡」・烈岩谷磨崖仏、雲に乗って降りてくるような神秘的な姿の磨崖菩薩半跏像、そして岩の間を歩けば龍蔵寺谷三層石塔など、新羅仏教美術の精華が続く。
金鰲峰の頂上は木々に囲まれた平地で、休息に最適だ。少し下ると視界が開け、慶州市街が一望できる。山と平野が交わる広大な風景の中で、古都の息吹が今も生きているのを感じる。下山途中では三陵渓石造如来坐像や三陵渓谷線刻六尊仏が次々に現れ、新羅仏教芸術の魂が静かに伝わる。
旅の終わりは吐含山の中腹にある仏国寺。新羅景徳王10年(751年)、宰相キム・デソンが建立したこの寺は「雲を飲み、吐く山」の名を持つ。多宝塔や大雄殿を歩けば、千年の時間が静かに流れるのを肌で感じるだろう。
歴史と自然、そして人の祈りが重なり合う慶州南山。
オカリナの旋律に包まれながら歩くその道で、旅人は千年の物語と出会う。
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